組合員の皆さま方におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。平素は、ＪＡならけんの事業運営に格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

　このたび、奈良県農業協同組合経営管理委員会会長に選任され、4月1日付で就任いたしました中津博行でございます。

　課せられた使命と責任の重さにあらためて身の引き締まる思いをいたしております。皆さま方の信頼と負託に応え、農業・地域の展望を力強く切り拓くため、変革と挑戦の気概をもって一意専心職務に精励してまいる所存です。

　さて、農業・地域・ＪＡを取り巻く情勢は依然厳しい状況が続いております。国際的に上昇傾向にあった食料・エネルギー・肥料原料等の価格は、ロシアによるウクライナ侵攻以降、国際情勢の緊迫によりさらに急騰し、加えて急激な円安が進んだことで、食料の多くを輸入に頼るわが国においても食料価格が高騰し、社会経済や国民生活に大きな影響を与えております。特に肥料・農薬をはじめとする生産資材等の価格高騰は農業生産の現場にも深刻な影響を与えており、ＪＡならけんでは肥料のお持ち帰り特典として店頭での小売価格からの値引きの設定や奈良県との連携・協力のもと、肥料価格高騰対策事業の申請対応等を通じて持続可能な地域農業の実現に取り組んでおります。

　一方、国内における外食やインバウンドの需要減少等、これまで農業生産やＪＡの事業運営にも大きな影響を与えてきた新型コロナウイルス感染症については、5月8日から感染症法上の分類をこれまでの2類相当から季節性インフルエンザと同様の5類感染症に引き下げられる予定であることから、暮らしに身近な様々な制限がなくなることで、コロナ禍以前の状態に向けて社会経済活動の活性化が期待されます。

　コロナ禍においては、参集型の催事・イベントは様々な制限がありましたが、今後の5類感染症への移行を契機に、人と人とが結び付いて組織される協同組合として、皆さまの健康と安全に配慮しつつ、訪問活動や各種会合をはじめ、魅力ある催事・イベントの積極的な展開を通じて組合員・地域住民の皆さまとの対話と交流を深め、協同組合の力の源泉である「結びつき」や「繋がり」の強化に努めてまいる所存です。

　また、更なる経営の健全性・信頼性向上とコンプライアンス態勢の充実・強化を図り、皆さまに信頼され、将来にわたり必要とされる魅力溢れるＪＡづくりに役職員が総力を傾注して取り組んでまいる所存ですので、今後ともより一層のご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、就任のご挨拶とさせていただきます。

　この度の役員改選で、代表理事理事長に選任いただきました村本佳宜でございます。この重責に身の引き締まる思いでありますが、奈良県農業及びＪＡならけんの発展の為に、精一杯職務に精励して参りますので、皆さま宜しくお願い申し上げます。

　さて、世界的に感染拡大する新型コロナウイルス感染症の収束の見通しが立たない中、感染者の増減により繰り返される緊急事態宣言や蔓延防止措置の影響により経済活動が停滞しております。農業分野においても外食自粛等により需要が急激に減少し、農産物の市場価格にも大きな影響をもたらしています。特に、米についてはコロナ禍による予期せぬ需要減少で、出来秋にはかつてない需給緩和が懸念され、米価への影響も危惧されております。ＪＡならけんとしましては、経営支援対策や需要回復策に総合力を発揮し、農家組合員の負託に応えていく所存です。

　一方、今年度は第7次中期経営計画3ヶ年の最終年度となりますが、3つの柱である「農業を持続可能とする仕組みづくり」、「総合事業を通じた豊かでくらしやすい地域社会の醸成」、「協同組合運動を通じた組合員との結束強化」の確実な完遂に向けて取り組みを進めて参ります。営農経済事業では、農業者の所得増大に直結する販売力強化のため、共計・共販の再構築に取り組み、市場流通の活性化を進めるとともに、まほろばキッチン橿原店およびＪＲ奈良駅前店を拠点とした直販に力を注ぎ、食・農・観と連携した多様な販売チャネルの開拓と地産地消活動を強化します。

　また、自己改革を進めるためには、盤石な経営基盤が必要不可欠であります。ＪＡにも適用される「早期警戒制度」も踏まえ、経営資源の集中化や業務の合理化・効率化による収支改善の取り組み等の実践により、持続可能な経営基盤の確立・強化に取り組みます。

　さらに、地域社会を構築する一員として、事業活動が与える多面的な影響にも配慮しながら、食と農を基軸とした総合事業の展開により、SDGsの達成に向けて社会的役割を誠実に果たして参ります。

　農業・ＪＡを取り巻く環境は年々厳しくなっていますが、組合員・地域住民の皆さまとの対話に基づいた取り組みを実践し、都度ご意見・ご評価をいただきながら、地域の農業とくらしに「なくてはならないＪＡ」となるためにＪＡ役職員が一丸となって職務に取り組む所存です。組合員をはじめ関係各位皆さま方の一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げまして、就任のご挨拶とさせていただきます。

令和3年6月30日

　ＪＡならけん発足10周年を記念して誕生したマークです。

　奈良のシンボルでもある｢大仏｣が雲に乗って奈良の大地に｢幸せの種｣をまいているとてもユニークなマークです。

　それはＪＡならけんの活動として、｢未来にたくさんの実をつける種｣、｢未来の豊作を約束する種｣をみんなでまいていこう！という呼びかけのマークでもあります。